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 本当の狙いは何なのか

2009年11月16日

ここ数日の政治関係ニュースは普天間等の個別事項を除くと

「事業仕分け」
「陳情の民主党幹事長室への一元化」

でもちきりである。
まず事業仕分け。
言うまでもなく、現政権の目玉であり、誰ともなく

「公開処刑」
「弁護士不在の裁判員裁判」

という異名を与えている。
事業仕分けのネット中継を覗いてみたし、
また連日のTVニュースでも頻繁に取り上げている。
まさに異名どおりの展開、との感想を禁じえない。
みんな言いたい放題!!!
それも相手(官庁側)の発言を最後まで聞かずに質問するメンバーの多いこと多いこと。

話の腰を折らず、人の話は最後までちゃんと聞きなさい!!

と、どの家庭/学校でも普通は教わってきただろうに・・・。
そもそもあの場は各事業を正確に議論・検証する場ではないのか。
メディアで中継されていることもあって、
どうも手柄取りのアピールの場(特に国会議員の)になっているように目に映る。
自分の考えが正しいのだ、と論破することに躍起になってる姿には
独善性しか見出せない。
勇気を持って蓮舫女史に食って掛かった女性官僚(独法役員?)がいたが、
胸のすく思いがした。

慣例や惰性で続いている事業も確かに存在するだろうから、
そういったものについては大いにメスを入れてもらいたいと思うが、
気になる、というか非常に危険だと思う点がいくつかある。

第一に「仕分け人」の人選とその基準だ。
1から3までのワーキンググループ(以下、WG)があり、
いずれも国会議員2~3人に民間が10人強という構成だが、
特に民間はどういった基準で選定されたのか?
事業仕分けWGのメンバー(評価員)には直接の利害関係者は入らない形で
構成されているが、一方で、その事業の意義などを明確にするのに
受け手となる受益者側の観点がほぼ配慮されない形で議論されている。
恣意的に人選されているとすれば堪ったものでない。
例えば自治体にとって最重要になる地方交付税については
抜本的な見直しと判断されたが、議論のトーンは圧縮の方向で、である。
乾いた雑巾を更にねじ切って財源を確保しようとしている地方の実情を
あそこの方々はどれほど理解しているのか?
また、仕分け自体は政府側の取り組みとなるのだが、
ここに国会議員がメンバーとして入るには衆参両院それぞれの了承が
本来必要とされるはずであり、参加している議員は違法行為で仕分けをやっている、
と河上元東京地検特捜部長はTV番組内で強く指摘している。

第二に、仕分けの仕方が効率論と費用対効果に集中している。
大事な観点であるものの、それだけで語れない事業は山ほどある。
スプリング8関係や文部科学省の研究関係競争的資金
「大幅な削減」という結論には驚きを禁じえない。
民間や大学だけで十分な研究資金が調達できますか?
日本の優秀な頭脳が研究資金を確保するために
海外に流出した過去の事例は多い。
世界最速のスーパーコンピューター開発資金も否定された。
このような取り組みが日本の科学技術を支え、
世界のトップランナーとしての地位を確立してきたのではないか。
「世界で2番目に速いコンピューターではだめですか?」と発言した仕分け人もいた。
仕分け人メンバーの生活には全く関係のない事業には興味もないのだろう。

第三に、財務省の介在である。
WGの進行は、まず省庁側が7分程度で事業趣旨説明を行い、
次に財務省が事業仕分けに当たっての「論点整理」を提示して、
その後に仕分け人が質問/議論する、という流れだが、
この「論点整理」、あくまで財務省側の視点である。
また、「論点整理」が配布されるのは各仕分けの直前だそうだ。
であるとすると、議論の流れは必然「論点整理」に沿って進むこととなり、
恣意的な財務省の議論誘導と言える。
このようなことで各事業の良否が本当の意味で判断できるのか?

他にも疑問はいくつもあるが、次の点を観点に入れていくと、
この疑問とこの仕組みのパズルが解けてくる。

①事業仕分けWGの結論自体には法的な拘束力は無く、
 あくまで行政刷新会議からの諮問に対する答えであって、
 最終決定は政府(もしかすると小沢民主党幹事長)。
②事業仕分けの目的は予算圧縮ありきであり、
 従って議論の前提は予算を減らすこと。
③経過はネットで全公開。

どういうことか。

仕分けWG自体には結論への責任能力や権限は無い。
あるのは仕分けそのものに判断を下した、という事実と
各事業への世論形成に貢献した、或いは誘導した、という事実である。
それを受けて政府側が予算付けの可否判断を行うことになるが、
この段階で与党所属の各省庁政務三役による復活折衝が行われるが、
同時に起こるのは、恐らくここにおいて地方自治体をはじめとする「受益者側」の
政府に対する要望活動である。
それもかなりの頻度と量で。
それは例の「(小沢)幹事長室」経由で行われるはずである。
そして仕分けまではネットなどを通じ全公開だが、
ここから先はクローズされた世界で展開される。
これが意味するところは、全ての決定について「(小沢)幹事長室」と通さないと
話が前に進まない、ということであり、実質的に

政府に所属しない特定の与党政治家の胸算用一つで可否判断がなされる

という重大な事実である。
想像するに、自民党支持に近い団体の要望であるほど
きついプレッシャーがかけられるだろう。
軍門に下り陳情に来れば検討、来なければバッサリ、ということが容易に想像される。

そしてそれは可否どちらの選択に転んでも政府与党側としては得るものが出てくる。

否の場合:慣例を否定し削減/廃止した、ということによるメディアを通じた世論の支持
可の場合:恩恵を与えた/受けたことによる受益者層からの支持

である。
以上のような観点で見ると、今回の事業仕分けとその後に行われる展開は、
事業の無駄を洗い出す、透明性の確保、などという純粋さやロマンチックな話ではなく、
選挙対策だ、と考えていいのではないか。
それも自民党の息の根を止めるための。

以下次回に続きます。

投稿者 sudayoshi : 2009年11月16日 01:11