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 点検会合での発言内容等について

2014年11月05日

本日、内閣府の
「今後の経済財政動向等についての集中点検会合」
に出席し、自分なりの意見を表明してきた。
メディアやネット等で発言その他が伝えられている。
本会合事務局から

今次会合の審議内容は一連の会合後議事要旨を公表する
自身の発言内容以外は議事要旨公表までは外部発信を控えられたし

と通達があり、以下に私自身の発言要旨を記す。


今回私が呼ばれたのは被災地の視点から、ということだと思うが、
まず断っておくのは、当然ながら、私の意見は被災地の民意や
被災自治体の首長の考えを代弁するものではなく、
あくまで故郷復興に行政トップとして携わる一政治家としてのものである。
また、国家的な視点で行われるべきであり、その際に「被災地がこうだから」
というようなことが議論の中核に挟まれることは望ましいとは考えない。
ご配慮いただくのはありがたいが、誤解を恐れずに言えば、
大震災での被災者は全国民の1%くらいの割合である。
但し、福島の方々については最後までしっかりしたケアが当然。
こうしたことを除いての残りの99%、つまり国家全体というマクロな視点で
行われるべきものであると考える。
「被災者がこうだから」というようなことは別の場での議論であろう。

その上で、本会合の趣旨の部分に対する私の考え方であるが、
まずは法で定められたスケジュールを基軸に議論と判断が進めらるべき。
色々な判断があると思うが、延期する場合、「では、いつ?」という話になる。
当然さまざまな(数値的)基準等があると考えるが、
延ばすことでまた新たな判断要素がその都度当然に出てくるであろう。
そうなると、「いつ決めるのか」ということが政治的部分も含めて明確にならない。
2%上げた場合、当然さまざまなリスクが想定されるが、想定されるということは
いかにリスクを潰すか、或いはケアをしていくかを、
事前に且つ洩れのないよう手当・対策を打つことが必要だ。
まずはスケジュールを基軸に「何をどのようにしていけばいいのか」を明確にし
それを国民にしっかり示し、その後の進め方を共有することが大事。
地方債も含めてGDPの倍以上の借金があり、今の人口構造を考えれば、
結局付け回しになっていって、(将来)誰が背負うのか、というところを
本気で皆で考えていかなくてはならないのではないか。
復興に当たって、三年前に町長に就任した際からずっと地元で言っていることは
「この復興は今を生きる我々だけの復興ではない。
(復興で)今作られたものは、将来世代、
更にはまだ見ぬ世代に引き継がれるもの。
スピードのある被災者の生活再建が最優先課題だが、
将来像を見ないままに進めることは将来に禍根を残す。」
ということである。
今般の議論についても、「今」ということと同時に「将来」をきちんと見つめ、
そこから「今」という部分を判断することが必要ではないか、と考える。

関係して被災地の復興や経済状況等に若干触れる。
「税が上がれば被災者は大変ではないか?」と言えば
大変なのは日本全国どこでも一緒で同じ。
増税して喜ぶ方がいたら会ってみたいものである。
そういう中で、本町では震災から二年が経った時に
介護保険料の基準額を2割以上引き上げた。
町の介護保険会計が破たんしないよう、そうせざるを得なかった。
町議会でも相当な議論をいただいたが、
最終的に日本共産党所属以外の議員の方には賛成をいただいた。
同様に、東松島市では、南三陸町もそうだったと思うが、
国保の保険料を15%程度引き上げた。
被災後の状況ではあっても、パブリック(サービス)の母体となる制度を
きちっと維持していかなくては、その提供すらできなくなる、という判断だった。
被災地ですら、そのような判断を今の状況の中でやっている、
ということを申し上げておきたい。

最後に、このような増税の議論の度に様々な話になるが、
では、「(財政状況が)ここまで来てしまったのはなぜか?」ということを
今一度皆で考え直さなければならないのではないか。
例えば選挙の勝ち負けなど、その都度政治状況の中で様々あるだろうが、
結果的に逃げになってこなかったか?ということを、
(政治に携わる)私も含めて、政治がしっかり考えなければならないし、
併せて言えば、前回(衆院)解散の際、定数削減ということが政党間の約束、
というより国民との約束、ということが多分に含まれていたはず。
それすらも国民は注視しているのでは、と思う。
それら一つ一つ、政治の側の覚悟、ということをやっていかなくてはならない。

最後にもう一つ、復興関係について。
確かに(復興の)財源がついても事業が進んでいない、というケースもあるが、
これは、例えば相続等の手続きがままならない、など(の理由があり)、
全く(消化)出来ない(持て余す)ので予算が余っている、ということではない。
被災地では(予算消化が)回らなそうだから、またそれが影響して
全国の公共事業関係もなかなか回らないようだから、
現状、予算を縮減しましょう、というような考えがあるとすれば
それは違うだろう、と思う。被災地の現状を持ち出すのは違和感を覚える。
また、復興財源については、土地の整備と住宅と都市機能。
復興集中期間云々の話があるが、
国に頼るだけでなく、(被災)自治体(自身)が財政負担をしてでも
やらねばならないことが多々あるだろう、と考えている。
このことについて、全て「おねだり」で復興をやっていく、ということは
全国民の皆さんの目線も考えればあってはならないし、
我が町ではそのような覚悟で今後も臨んでいくが、
区画整理、防災集団移転、災害公営住宅、学校等の基軸施設については
今後も現行の復興事業制度・枠組みを堅持いただきたい。


以上が点検会合における私の発言のあらましである。
録音しておいたので、ほぼ原発言ママである。
( )内はわかりやすいように追記した。
また、発言すべき要点メモを手元に置き原稿無しで意見表明しているので、
文章が繋がるように若干の手直しをしている。
ご覧いただければわかると思うが、本会合の趣旨であるところの
5%⇒8%の影響や状況について話してきたわけではない。
そもそも、この間7カ月の増税後の影響について、
客観性に耐える女川や被災地限定の統計データは存在せず、
よって資料提出はしていないが、
発言内容は資料等がなくても十分伝わる話である。
初日の今回は政治的立場の人間が私一人だったので、
小なりと言えども政治的な立場と視点で発言させていただいた。
今後の発言要旨の公表に伴い私の発言内容も出回るので
本欄ではサラッとでもいいか、と思っていたが、議事非公表段階とはいえ
報道の取り上げ方やそれに対するネット等の反応を見て
ほぼ全文を記載させていただいた。
現時点での報道の取り上げ方や代表的なネット等での反応について、
転載可能なものは近日中にここに追記するので比較されたい。

改めて、主に伝えたかったことは
①被災地の現状を以って増税・社会保障という
 国全体のマクロ政策の尺度にすべきでない
②被災者がまだまだ大変な状況下の被災自治体においてすら
 政治リスクを飲み込んで負担をお願いしてきた事実がある
③「今」を考えるにあたっては「将来」を見据えて「今」を判断すべき
④なによりも「政治の覚悟」が求められている
ということである。

全体の感想だけ言えば、それぞれの有識者の意見陳述は、
再増税への賛成・反対は別として、それぞれに説得力を持つものであった。
恐らく、考え方においてはどの意見も正解なのである。
但し、未来は誰にも分からない。
だからこそ、どんな判断だとしても政治は覚悟を以って選択することが求められる。
国民に痛みを課すのであるならばなおさら、である。

また、時間の関係で論述できなかったが、再増税可否は別として、
各種経済対策における規制改革の重要性を指摘しておきたい。
内閣府「選択する未来」委員会地域の未来WGの第5回会合に
著名な農事組合法人である和郷園の木内代表理事が出席され、
取組等について紹介いただいたが、私の質問に対して答えていただいたのがある。
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/future/wg3/0917/gijiyoushi.pdf
この議事録のP23~P24に施設園芸における規制の一例が延べられている。
詳細は上記URLをご覧いただきたいが、このような規制、
或いは国からすれば規制すべき対象のものについて、
民間のリスクヘッジスキーム等を組み合わせれば、
歳出の削減や民間資金の節約=別投資等への資金確保※に
※抑制した分のコストは企業にとって利益と同じ意味を持つ
繋がっていくものであり、地域内でのマネーの循環や
就労者の賃金上昇に繋がる可能性が十分存在する。
似たような事例や応用編は恐らくかなりの数が存在するのではないか。
個別の規制緩和要望について内閣府が募集をしていたが、
個別、ということではなく規制の在り方に対する思考原理を
根本的に見直していくことも必要ではないだろうか、と考える。
国、という単位での公民連携の一つの在り方にもなろう。
(但し、他国では当たり前だったりするのかも)

色々記したが、点検会合の議事が公表された後にまた触れます。

投稿者 sudayoshi : 2014年11月05日 02:09