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 2016年を迎えて

2016年01月07日

明けましておめでとうございます!
二度のまちびらきを経て、女川のにぎわいの拠点が新生したのをはじめ、
昨年も多くの皆様のご理解とお力添えに支えられた一年でした。
復興後半戦の中盤に入るこの一年は、事業推進という意味では
将来へ向かう町を創るための最後の大きな山を越えていく年と認識しています。

本年は宅地供給が本格化します。
本町の場合、都市機能をゼロ(あるいはマイナス)から作らねばならず、
加えて、そのための宅地造成と基盤整備には地勢的な制約が伴い、
よって、宅地供給の全体スケジュールは他の被災自治体と比した場合
概ね一年程度遅れて出てくることを余儀なくされてきました。
よく報道等で「トップランナー」的な表現がなされることがありますが、
私を含めて地元からすればそのような印象はありません。
少なくとも住宅・宅地についてはむしろ後発組です。
結果、災害公営住宅入居や自宅の新設を心待ちにしている方々に
今もご苦労をおかけしているのが現実です。
「トップランナー」的に取り上げられるほどに
目の前に厳然としてある現実とのギャップを感じるのです。
例えば、こういう声が多くあることは私自身よく理解しています。

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本音のところは同様、という方もかなりいらっしゃるでしょう。
それはその通りに受け止めなくてはなりません。

4年前に復興の舵取り役を担なわせていただいて以来、
住民説明会等で常に言い続けてきたことがあります。

「今回の復興財源の多くは国費、即ち全国民の負担によって成り立つ。
 1000億なら@800円、2000億なら@1600円、赤ん坊から大先輩方、
 将来負担まで含めた公金=税で成り立つことを認識すべき。」

「“安全な住宅地をつくること”が復興なのではない。
 それらを通じて将来の責任世代が引き継げる
 郷土の新たな姿を創れるかが問われている。
 “今”だけを刹那的に捉えるのではなく、
 将来像を見据え今を乗り越えていくことが必要だ。
 その上で、今やるべきことを最大限のスピードで進めなくてはならない」

前述の制約条件や各種の壁があるからとはいえ、
最優先課題である生活の場の再建に時間を要してきたことは現実であり、
ご苦労をおかけしてきていることに心苦しさを常に抱えています。
造成事業の関係で一時的な移転をお願いせざるを得なかった方もいます。
そのようなご苦労や不満・不安がそれぞれにあるだろう中で、
「女川が前に進んでいくために」
という思いで町民皆様からご協力をいただき、想いを託していただき、
今日までの歩みを進めてきました。
ここまで、宅地・災害公営住宅の供給率は離半島地区・中心部地区で3割ほど。
その最重要案件である新たな生活の場が、
ようやく現実のものとして見える年になります。
切土の高台住宅地については本年中に予定区画数の8割を供給できる見込みです。
盛土の区画整理区域の宅地供給も進んでいきます。
また、大型の集合住宅系は完成まで1年半ほどを要し入居は29年中となりますが、
土地の造成完了を待っていた多くの災害公営住宅が着工します。
水産都市女川の中核である魚市場も28年度内には完成を見ます。

ここまでの歩みのなかで、公民や町内外を問わず、
皆の力を合わせて将来への足がかりとなる場や繋がりの輪を創出することができ、
本当の意味でのスタート台に立てたように思います。
新たなまちづくりの有形無形のパーツがすべてつながり、
その価値を発揮し、皆に実感いただくにはまだ数年を要しますが、
ようやくここまで来た、というのが率直なところです。
これまで取り組んできたこと・示してきたことが実際に形となり出し、
その後へと続く郷土の新たな姿と在り様に繋がっていく、
そのような一年にすべく、改めて気を引き締めてながら取り組んでいきます。


これまでの取り組みについても、単に造成してまちを造る、ということだけでなく、
ちょっとした意味や価値の創出につながりそうなことを色々仕掛けていて、
その一つを元旦に確認できました。
今年の初日の出、皆さんはどちらで迎えられたでしょうか?
私の場合は昨年三月に運用開始された女川駅/ゆぽっぽにて。
実は、駅から女川港へと延びるレンガ道のプロムナードですが、
駅側から見た場合その真ん中に初日の出が上がるように
設計段階で仕込んでおきました。
「本当にそうなるか?」
という一抹の不安も抱えながらその時を待ちましたが、
元旦の6時51分、真ん中ドンピシャで初日の出が!

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※写真は駅/ゆぽっぽ3階展望デッキからスマホにて撮影したもの

一緒にいた方々から「オオー!」という歓声と拍手が自然に湧きだし、
新年を迎えた実感、そして設計・工事に携わっていただいた皆さんの技術の確かさに
感激を覚えた次第です。
今後は女川の年始の風物詩になるかもしれません。

では、なぜそのような仕掛けをしたのか?
それは、どうせ街路として造るならば、追加的な資金投入をせずとも生み出せる、
街路としてだけでない価値をその空間に伴わせるようにしたかったからです。
もしこのことが広く知られるようになったとして、
「初日の出は女川で見よう!」
「初日の出を見るなら女川で」
という一つの行動の形、ひいては地域文化に繋がってくれるとするならば、
それは街区を新たに造る、ということにとどまらない価値を創ることになります。
単に一年に一度のことかもしれません。
それでも、それが女川の新たな意味付けの一つとして加わっていくならば、
私達の日常の節目節目に新たな彩が添えられることになるでしょう。

もう一つ。
話は変わりまして、「おながわ復興まちびらき2015冬」。
町内外問わず、本当に大勢の皆様にご来訪いただきました。
ありがとうございます!
その2日目、クリスマスイブに行った花火大会の様子です。
18:30打ち上げ開始で、セレモニーを行ったのは17:50。
私のあいさつにおいて、皆にこれまでの感謝を述べつつ
「今日だけは仙台光のページェントには負けないっっ!!!」
「評判が良ければ議会の皆さんと相談した上で来年以降も考えます!」
と高らかに宣言したものの、その時点では人の集まりも悪く、正直まばら。
内心、
“いやいや、みんな花火好きなはずでしょ・・・?なんで・・・?”
“あれ、やっぱりイブの花火だと集まらないのかな・・・?”
と不安と戸惑いで一杯でした・・・。
しかししかし、もうすぐ始まろうかという段になって、

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駅側からぞくぞくと皆が集まってきました!
そして打ち上げが始まると

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笑顔や涙。
そこにはたくさんの人々の表情がその数だけありました。
“こんな表情溢れる場を女川に再び産みだすためにここまでやってきた”
私もこれまで一緒にやってきた仲間と抱き合い喜び合いながら号泣。
一方で、泣いて喜ぶのは今だけで、明日からリスタート!とも誓い合ったところ。

今回は二度目のまちびらきに併せて、ということでありましたが、
前述の初日の出と同様、継続した場合、
「イブを過ごすのは女川で」
という風になったらそれは素敵なことかな、と思っています。
※“まちびらき冬”全体をまとめたショートフィルムがあります。
  いい作品ですのでご覧ください!
  https://www.youtube.com/watch?v=47c32pogVac


宅地、家、働く場、インフラ、にぎわい、教育、交流、etc.
そのどれもがまちに必要不可欠なこと。
生活再建の場の実現を最優先課題にしながら、
それら全ての再建・新生を同時に成していかなくてはならない。
まちがほぼ無くなってしまったがゆえに強いられることであるが、
将来像を皆と描きながらその一つ一つを可能な限り早く形にしていく。
そしてそれらが、或いはその全体が、
ソフト・ハードを問わず意味ある新たな価値に繋がる、
今後あるべき地方都市の一つの在り様を復興を通じて実現していく。
震災とは無関係に人口減少が何十年も続くこれからの我が国日本の未来、
その中でも更に厳しい条件に地方都市が直面し続ける未来を生き抜く、
持続性・効率性・利便性、そして可能性に富む新たな女川を皆で築く。
その決意でここまでやってきました。

ようやくここまで来ました。
本年もよろしくお願い申し上げます!

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投稿者 sudayoshi : 2016年01月07日 19:30