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 復興まちづくりの視点・考え方とONAGAWACKが示した可能性

2019年02月25日

前回エントリーは感謝の思いを記したが、
今回は表記の通り、まちづくり視点で。
ONAGAWACKとは何ぞや?という場合は前回記事と
以下をご参照ください。


CINRA.NETニュース
「女川×WACK『ONAGAWACKのフェス。』開催、BiSHらとかくれんぼなどで遊ぶ」
ONAGAWA DAYS-web magazine-
「ONAGAWACKのフェス。」特設サイト

以下は、WACKさん側の収益や費用の内訳について当方は不知である、
という前提での考察なので(恐らくトントンかちょい赤)、
その点留意の上お読みいただければ。
さて、その前回も若干記したが、ライブDAYと遊びDAYの二日間、
この両日について町からの助成金や補助金等はない。
これはWACKさん側だけでなく町内事業者等に対しても同じである。
本町でもそうだが、通常まちおこしや活性化を狙ったイベントを実施する場合、
イベントゲスト招致の際はイベント開催経費への補助金・助成金から
その費用を賄ったり、町主催の文化事業などの形態をとって
町からギャラ負担するのがよくあるパターンだが、
二日間を通じてWACKさん並びにアーティストさんの全面協力があって
成り立った今回のフェス。であるが、初日のライブDAYについては
純然たる興行として行われており、二日目の遊びDAYについても
町内事業者・団体とWACKさんによる自主事業である。
ところでこの初日において、なるほど!という勉強になる点があった。
今回、会場である生涯学習センターホール以外でも、
商業エリア内にあるまちなか交流館にてライブビューイングが実施された。
基本入場無料だが、幾ばくかでもこのための経費がかかっており、
入り口でお気持ち程度のカンパを頂戴する形式。
で、このライブビューイングであるが、当初の予定にはなく、
実施決定は開催期日が近くなってから。
会場となるホールの調整室には光回線がない旨をお伝えしたが、
臨時回線を別途引っ張るということで実施が決定。
しかし、決定したものの、オペレーション面か設備面の問題で
送出が難しいということに。
そこで、この解決のために登場したのがニコ生。
ニコ生さんがライブビューイングへ映像と音声の送出を行い、
これをニコ生にも同時に流すこととなった。
結果として、このことによりライブビューイング会場のみならず、
約2万人の同時視聴を可能にした。
これは、物事の仕掛けを考える上で非常に参考になる事例と言える。
自前でのオペレーションの代わりに、コンテンツを提供することで
専門の事業者がその部分を担い、尚且つそのサービスの受益者が
当初予定の数百倍になったわけであり、
つまり、足りないor望む機能や役割を事業と組み合わせることで
お互いの持っている強みの掛け算で効果が飛躍的に上がるばかりか、
双方にウィンウィンをもたらしている、ということである。
ここも、行政も絡むまちづくり系だと追加の補助金で専門業者手配、
みたいな話になりがちなところであり、
双方にメリットがあるように何と何を掛け合わせれば
コストも掛けずに効果も上がる、という発想は大事だな~、と思った。

続いて、2日目の遊びDAYから。
この2日目はまちなかのにぎわい拠点全体を活用して実施された。
まずは、かくれんぼから。

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この全域を使って”かくれんぼ”である。
TVで「逃走中」とかはあるが、そのような番組企画と違い、
一般町民や観光客も普通にいる中でまちなか全体でのかくれんぼw
まあ、これを考えたほうもすごいが、これを可能にさせている前提が
敷地条件、というかエリア形成である。
もともと、商業施設(シーパルピア)に挟まれたレンガみちは
空間の主軸であって、歩行者用の町道である。
つまり道なのだが、単なる道でなく舞台であり、広場であり、と、
様々な機能と意味合いを持たせている。
イベント実施時には側道を車両進入禁止にして
まちなか全体を一帯の空間として使えるようにもしている。
復興まちづくりを進めていくにあたって、
もともと私自身としては空間の在り方や価値を非常に重視してきた。
震災のだいぶ以前から考えていたことだが、
地域の賑わいや活力を生み出していくために重要なのは
特定のコンテンツも大事だが、むしろそれを取り囲む空間に
意味があるのではないかと考えていて、
それは住んでいる・いないに関わらずその場を使う人が
自由にfunを生み出せる空間であるべき、と考えてきた。
今日日、公園でキャッチボールも許されない時代である。
だから、自由に過ごせる空間と様々なサービスが
ワンパッケージで提供可能な空間を作りたかったのである。
そんな考えを底流に、皆の知恵やアイディアで作ってきた場が、
今回の遊びDAYのフィールドである。
今回は道路占用等は行われなかったが、
逆にその分、日常動線と非日常動線が入り組むような、
非常に面白い空間となった。
思いもよらぬ使い方で、この空間・場の可能性を
最大限に引き出していただいたと思う。

そしてもう一つ。今回のサービスとアクティビティである。
WACKさん並びに所属各グループ・メンバーの全面協力の下、
下記の店舗でコラボが実施された。

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オリジナルのクラフトビールや海鮮丼に釜飯、
ハーバリウムにコースター、果てはエレキギター etc.
コラボによるオリジナル商品やサービスがわんさか。
ほとんどが完売御礼。それもボッているわけでなく、
各グループのコンテンツパワーのおかげもあるが
普段より割安(特に飲食)とか価格以上の価値のものばかり。
ここで大事なのは、通常のイベントだとテントや椅子にテーブル、
こういったものを手配して対応を図るが、
今回、こういった類のものは一切使っていない。
常設のものばかりである。
何が言いたいかというと、一般にイベント時には
実行委員会とかで役割分担ができ、警備とか駐車場担当とか、
各種設営に本部やロジなど、運営の方もやりながら
商売しなくてはならない。
これが今回は自らが商売で提供できるサービスに注力することができた。
結果、WACKさんのご協力の下、皆が喜ぶサービスがなされた。
これを可能にしたのはたがまさ君の奮闘と、
そんな彼を支えた仲間の存在があったからである。

そしてアクティビティ。
似たようなマップばかりでスミマセンがもう一個。

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BiSHさんとスペインタイルづくり(01)
BiSさんとお茶会(02)
GANG PARADEさんと女川湾クルーズ&石鹸づくり(03、04)
EMPiREさんとー30℃の冷凍庫体験(05)
※更に、BiSHさんはサンマの炭火焼きもやってくれて、
 BiSさんは各店舗の店員さんも務めてくれました

それぞれファンクラブ限定だったとのことだが、
まさか冷凍庫までコンテンツ化してくれるとはw
切り口や見方を変えると様々なことができるということ。

あとは、やはり参加いただいたお客様皆さん。
皆さん自身が面白がって参加してくれたから、
このような気付きも学びも振り返りもできるようになった。


長々と記してきたが、
これからのまちづくりに必要な考え方は色々あるが、
我々自身、これまでの経験や学びから紡いできたところである。
補助金に依存しない
空間、特に公共空間を使い倒す、またそのための仕掛けをする
地域では当たり前になっているものの価値を見つめ直す
可能な限り収益構造を作る
といったことを意識しまちづくりを進めてきたが、
まだまだこれからの部分もある。
そこに、新たな気付きも含め今回のONAGAWAのフェス。は
我々が、少なくとも私自身が考えていた
まちの使い方やその可能性を最大限に引き出し、
究極的な形で示してくれた。
同時に、それを可能にするのは何かということも示してくれた。
人の熱意や場の価値とこと起こしへのチャレンジ、
そして加えるとするなら面白がる心、だろうか。

まさに神イベだった今回の二日間だったが、
それはこれまで皆でやってきたまちづくりやその考え方と
見事にシンクロし、またその可能性を最大限に示してくれた。
もちろん今回についてはWACKさんのご厚意があったからこそ
ここまでのものになったのだが、この十分の一でも、
あるいはもっと小さくてもいいから、これまでもそうだったように
”誰かがやってくれる”でなく”これは無理”でもなく、
自分たちで能動的に取り組み、経験と事例を積み重ね、
まちの価値と面白さを高めていきたい。

全ての皆さんに改めて感謝申し上げます。
ありがとうございました!

投稿者 sudayoshi : 2019年02月25日 23:57